
1,アフリカ諸国の格差
アフリカは、世界の22%を占める巨大な地域です。
50以上の国が集まっており、人口は2016年の時点で12億人にも達します。
人口は今後も増え続け、2050年には約25億人に達すると予想され全世界の4分の1が集まる地域になると言われています。
経済の成長率も上昇しており、先進国や新興国は軒並み停滞や衰退するなか成長を続けてきました。
アフリカ全体のGDP成長率は世界の平均を上まり、経済的にも注目を集めています。
しかし順調に経済が成長しているのは、地中海沿岸など一部地域のみです。
GDPの全体量も世界的に見ればまだまだ少なく、特に問題となっているのはサハラ砂漠から南の地域です。
サブサハラとも呼ばれる大陸の中央から南の国々は、経済成長の恩恵を受けていません。
世界の中でも特に貧困に苦しんでいる地域とされ、最も貧しい国々が集まっていると言われています。
世界中にいる貧困層の半数以上がサブサハラにいるとされるほど、経済的には苦しい状況が続き深刻化しています。
経済成長を続ける国がある一方、毎日十分な食事にすらありつけない人々が存在しており、同じ大陸内でも格差は広がるばかりです。
そこまで格差が広がってしまった原因には、いくつかの理由が考えられます。
理由の一つは人的資本の貧弱さで、貧困地域では優秀な人材がいません。
小さな子どもも労働力としてかり出されるために、日本なら当たり前の学校に通うということができません。
子どもの頃から満足な教育を受けていないことによって、文字が書けなかったり読めない大人が多数います。
また教育システムだけではなく医療の体制も整っていないため、日本なら簡単に治療できたり予防できる病気も防げません。
栄養失調などで命を落とす小さな子どもも多く、5歳まで生きられる子どもの数は極端に少なくなっています。
2,経済成長が無い国の要因
教育や医療の体制が不十分なら先進国のように優秀な人材が生まれる可能性も下がり、経済にも影響を及ぼすでしょう。
たとえ優秀な人材が現れたとしても、ビジネスの環境も問題です。
天然資源が豊富な国なら他国に売るモノがあり、貿易によって外貨を稼げます。
しかし売るモノが国内にないと、外貨を稼げる手段も限られてしまいます。
外貨を稼げないと国内のお金も少なくなり、小さなパイを取り合わなければいけません。
天然資源や農産物が豊富でも先進国と不利な条件を結ばされる国もあり、劣悪なビジネス環境は国の成長を邪魔しています。
国の成長を邪魔しているのは、外的な要因だけではありません。
国内のビジネスを発展させるためには、水道や電気、インターネットなどのインフラ整備が必須です。
インフラが整っていないと国内産業も育たず、外国からの投資も見込めないでしょう。
整っていないなら国を挙げてインフラを整備すれば良いですが、そのために必要なお金がありません。
国民から税金を集める手段が乏しく、国の財政は苦しい状況が続いています。
国の財政が厳しければ公共投資に使えるお金も限られてしまい、電気や水道などビジネスに必須のインフラ整備は遅れてしまいます。
さらに国の財政が豊かになっても、権力者の汚職すればすべて無駄になります。
税金を集めて私腹を肥やす権力者が多く、国民のお金も正しいことに使われません。
横領されるお金は国民から集められた税金だけではなく、海外からの援助金も不正に使われています。
アフリカの貧困を解決するためにと先進国から善意で集められたお金も、一部の権力者が私腹を肥やすために使ってしまうために、本当に困っている人たちを助けるために使われていないのが現状です。
3,苦しんでいる人のために支援を続けている
さらに海外からの援助が大きくなると、国としてそれに慣れていまいます。
お金に困ったら海外の人々が無償で助けてくれると考えてしまえば、当事者たちが本気で問題を解決しようとは思わないでしょう。
援助が増えれば増えるほど自助努力を阻害する悩ましい問題があり、援助のし過ぎも逆効果になる と言われています。しかし現実にアフリカ大陸の貧困地域では、罪のない人々が苦しい思いをしているのも事実です。
これからは国にお金を渡して終わりではなく、効果的な方法を考えていかなければいけないでしょう。
たとえば貧困に苦しむ農村地域に援助金を重点配分すると、生産性を上げて労働者の収入も増やせると言われています。
日本ユニセフより引用
一般の労働者の収入が増えれば、農村エリアの需要が高まりやがて国全体に広がっていくでしょう。
また男性より弱い立場の女性に手厚い支援を届けることにより、食料の安定確保や子どもの健康にも良い影響があるとされます。
さらに汚職を考慮した支援体制を作ることにより、一部の権力者が潤う状況も回避可能です。
アフリカの人口が今後も増加すれば、やがて食糧や水が不足する事態に陥るでしょう。
このままの状況が続けば食糧や水が不足したときに争いが起きる可能性があるので、平和なアフリカを作っていくためにも支援を続け貧しい国を少しでも減らさなければいけません。